本日、3月3日はひな祭り=桃の節句です。節句については 以前 書きましたので、今回は桃について紹介したいと思います。

桃はとてもスピリチュアルな存在として知られています。中国では桃は仙木・仙果と言われていて、西遊記の孫悟空が不老長生を得たのも、天界で供される桃を栽培する果樹園の管理を任されていたときに、そこの桃を全て食べ尽くしてしまったからなのです。

また、桃には邪気を祓う(はらう)力があるとも考えられています。道教では桃の木で作られた木剣や弓矢を使って邪気を祓ったりします。さらには桃の枝を畑に刺すことで虫除けとなるという風習もありますし、中華料理のデザートでよく見かける桃饅頭はもともとは長寿を示す桃を表し、祝い事のときに食べられていたものだそうです。

中国だけでなく、日本でも桃は邪気を祓うものだという思想は古くから伝わっています。とくに有名なものは伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉に降った時のエピソードです。見てはいけないといわれた伊弉冉尊(いざなみのみこと)の姿を見てしまい、その怒りに触れた伊弉諾尊は黄泉の国から逃げ帰ろうとします。

一方怒った伊弉冉尊は黄泉醜女(よもつしこめ)という、名前からしても怖そうな存在を使って伊弉諾尊を追いかけます。この黄泉醜女を追い払うために、伊弉諾尊が桃の木からその実をもぎとって投げつけたところ、見事に撃退することができたのです。

このときの功績をたたえて、伊弉諾尊は桃に「意富加牟豆美命(おおかむつみのみこと)」という名前を送りました。つまり、伊弉諾尊によって桃が神様になったというわけです。

ちなみに神道だけでなく、密教でも桃の形は特別なものだと考えられているようで、摩尼宝珠(まにほうじゅ)と呼ばれるものの形は、桃の実そのものです。こちらも邪気の進入を防ぐために本堂の前などに備え付けられているそうです。

神様になるぐらいの浄化のパワーがある桃、桃の実が収穫できる時期まではまだまだ時間がありますが、美しい桃の花ならばそろそろ見頃になっています。写真は京都御所で撮影した桃の花ですが、桃林にたたずんで美しい花をながめながら深呼吸をすると桃のエネルギーが身体の隅々まで行き渡って、浄化されていくのがわかります。

桜が咲く前に、桃見をして心身を浄化させてみるのはオススメです。とても心地よく、一度やるとやみつきになりますよ。