今日、2月1日は一夜正月、もしくは重ね正月と呼ばれています。お正月から一ヶ月たったこの日になぜ「正月」という言葉が使われるのでしょうか?

一夜正月(いちやしょうがつ)とは厄年の人に仮にひとつ年をとらせ、厄年をやり過ごそうとする風習のことです。

厄年は現在でもよく知られており、厄年を迎えると神社やお寺などで厄祓いをする人が多くみられます。

なぜ厄年というものができたのかはさだかではないらしく、陰陽道の思想だという説が一番有力のようです。一般的に男性は 25歳、42歳、61際、女性は 19歳、33歳、37歳が厄年であると言われています。

この中でも特に要注意とされているのが男性 42歳、女性 33歳 で、この年は大厄とよばれています。

なぜこの年が大厄かというのにもいくつか説がありますが、言霊で 42 が(死に=しに)、33 が(散々=さんざん)にかかるので縁起が悪いというものや、厄年が広まった時代の平均寿命が 40歳前後 だったことから、そろそろ身体を注意した方が良いですよ、という警告だったという説などもあります。

また最近の研究では男性の 42歳 は免疫力の低下が見られ、女性の 33歳 はホルモン分泌の低下が見られるために、双方ともに体調不良が起こりやすいという統計も出ているそうです。

厄年の風習は平安時代頃からあったと考えられていますが、一般的に広まったのは江戸時代に入ってからだそうです。そのころから厄祓いの習慣も広まってきてお正月や節分などに盛んに厄祓いが行われたようです。

そんな中で、神仏のご加護を得るよりも、そもそも厄年をすっとばしてしまおうというものが一夜正月です。厄年は誕生日でなく数え年で計算しますので、お正月になると一歳年をとるということになります。

厄祓いがお正月から節分にかけて行われるのも、厄年に入ってなるべくすぐに厄を祓ってしまおうという考えからなのでしょう。

1月1日に1歳としをとり厄年になった人に、2月1日を1日だけのお正月としてもう1歳重ねることで、本来ならば1年続く厄年がたった1ヶ月で終わるというわけです。

いろいろな書類で年齢を書いたりする機会が多い現代ではすでに実行不可能な風習ですが、暦としては今も残っています。これから先、厄年や厄祓いの風習はなくならなくても一夜正月は確実に忘れられていってしまうでしょう。

正月を2回すごして厄をかわしてしまうというのは、かなり強引な手法で、不運すらもごまかしてしまおうという江戸時代の人の心意気とユーモアが伝わってきて、筆者にはとても素敵な日に思えるので、なくなってしまうのは少し残念な気がします。