和歌という言葉は知っていて、なんとなく5・7・5・7・7の 31文字 で構成されるということはわかっていても、実際に知っている和歌を挙げてみて、と言われたらぱっと出てくる人は少ないのではないでしょうか?

現在では和歌というと学校の授業で習うか、百人一首ぐらいでしか聞かなくなってしまったかもしれませんが、その歴史はとても古いものです。

一般的に和歌というと平安時代のようなイメージがあると思います。愛しい人に思いを伝えるのも和歌であり、和歌の優劣を競って負けたために怒りのあまり死んでしまった人がいたり、和歌を詠むための役職もあったというぐらいですから、平安時代に和歌がどれほど重要視されていたかがわかります。

しかし、和歌が成立したのはそれよりも遙かに古い時代のことで、なんと最初の和歌を作ったのはスサノオミコトだとされているのです。ちなみにその歌は下記のようなものです。

八雲立つ 出雲八重垣(いずみやへがき) 妻籠(つまご)みに 八重垣作る その八重垣を

この歌はスサノオミコトが八岐大蛇(やまたのおろち)を退治して、クシナダヒメと結婚し新居を建てたときに詠まれた歌と言われており。その解釈は多数ありますが一般的には出雲の地に自分が建てた家の垣根と、立ち上る多く雲をかけたというものです。

八雲とは、たんに数の多い雲という意味の他にも、八色の雲として瑞兆(ずいちょう:よいことのある前兆)を表すという話もありますし、古神道の流派によっては結界を創る力のある歌であるとする説もあります。

スサノオミコトがはじめだということからも、日本人が古来から言葉に霊力を感じてきたということがわかると思います。

現代では美しい日本語というものはだんだん少なくなり、新しい言葉や西洋の言葉が多く入ってきて、いくつもの意味が含まれた言葉の結晶ともいえる霊力のある和歌などは現れにくい時代になっているように感じます。

和歌は鎌倉時代を過ぎると俳句にその勢いを奪われ、明治以降は短歌がその力を増してきました。文学的な意味合いでは俳句も短歌もすばらしいと思いますが、癒しやスピリチュアルな力でいうとどちらも和歌にはかなわないという印象があります。

普通に生活していると和歌にふれる機会というのはなかなかないと思いますが、何か機会があったら、ぜひ万葉集などに目を通してみてください。美しい言葉のつらなりを読むだけで、癒しの波動を感じることができるはずです。