奈良県の山中に「屑神社」という、とても変わった名前の神社があります。神聖な場所であるにもかかわらず「屑」という名前を持つその神社にはどんな神様が祀られているのでしょうか?

筆者が屑神社を訪れた時には住所だけはある程度わかっていたものの、近くまで行ってもそれらしい神社は見つからず、地元の人に聞いてみたのですが「神社はあるけど、名前はちょっとわからない…」といった反応しかありませんでした。

それでも教えて貰った通りに進んでいくと、そこには見事な大きさの杉を背後にそびえ立たせながらも、ひっそりとたたずんでいる神社の姿がありました。この神社こそが「屑神社」です。

屑神社には特に由来書のようなものは無かったので、どうしてそんな名前がついたのかは定かではありませんが、名前だけでなく祀られている神様も非常に珍しい神様なのです。その神様は「道返大神(ちがえしのおおかみ)」もしくは「道敷大神(みちしきのおおかみ)」と呼ばれています。

この神様は伊弉冉尊(いざなみ)を生き返らせようと、伊弉諾尊(いざなぎ)が黄泉の国へと向かった時のエピソードに登場します。この話は有名ですので、大筋は知っていらっしゃる方も多いと思いますが簡単に説明しておきます。

黄泉の国へと向かった伊弉諾尊は、無事に伊弉冉尊に再会し、地上へ帰るまでに一度も振り返らなければ、彼女を生き返らせることができるということを知ります。そうして、二人は地上に向かうのですが、あと一歩というところで、伊弉諾尊は後ろを振り向いてしまいます。

そこには、黄泉の国の食べ物を食べてしまったがために、変わり果てた姿の伊弉冉尊がいました。その恐ろしい姿を見た伊弉諾尊は一人で逃げ出してしまいます。このときに、追いかけてくる伊弉冉尊が地上へと出てこられないように巨大な岩を置き、黄泉の国と現世の境としました。

この地上と黄泉とを遮るための岩が神格化されたのが、道返大神です。あの世とこの世の境を守護し、穢れたものを遮るこの神様は、神社に祀られていることは珍しいのですが、同じ性質のものを道祖神として日本各地で見ることが出来ます。

道祖神とは町や村の境界を守護するために置かれる物で、石で出来た像や石塔などが置かれることが多いようです。

そんな境界を守護する神様が祀られているこの神社は、とても空気が澄んでおり、浄化のパワーに満ちあふれています。本殿の後ろからすらりと伸びた、2本の杉の大木を見るまでもなく、良いエネルギーが満ちているのがわかります。

余談ですがエネルギーの善し悪しを判断する方法の一つとして、その場に生えている木を見るという方法があります。エネルギーのいい場所に生えている木はまっすぐに育ち、良くないエネルギーの場所に生えている木はねじれていたり、曲がって生えたりすることが多いようです。

生えている木の種類にもよりますので一概には言えませんが、ひとつの目安として活用していただければと思います。

屑神社は都会の神社ではすでに感じられることのできない、神社が本来持っていた素朴な信仰のエネルギーと自然のエネルギーの調和を感じられる、とても良い神社です。なかなか訪れるのも大変な場所ですが、最近は「日本の神様カード」のおかげで参拝者も増えたようですので、がんばって参拝してみて下さい。苦労が報われるだけのエネルギーを感じることができます。

Spot Data
 屑神社
 奈良県宇陀市大宇陀区嬉河原174番地
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