吉備津神社の回廊
≪ 吉備津神社の回廊 ≫

岡山県の吉備津神社では、鳴釜神事というちょっと変わった神事が行われています。これは釜の鳴る音で吉凶を占うというものです。

吉備津神社には桃太郎の話の元になったともいわれている鬼退治の伝説が伝わっています。それによると、温羅(うら)という鬼が吉備国へとやってきて、城を築き人を襲い、略奪の限りを尽くしたそうです。

その温羅を討伐するために、吉備津神社の主祭神、大吉備津彦命がつかわされました。元々は五十狭芹彦命(いさせりびこのみこと)と呼ばれていたのですが、温羅と対決し、雉や鯉に姿を変える温羅に対して、命は鷹や鵜の姿となって追いかけ、ついに温羅を捕らえる事に成功した際に、温羅が吉備の支配権を命へと献上したことによって、吉備津彦命と呼ばれることになったということです。

岡山県には、鬼の城の跡や、吉備津彦命が温羅を捕まえた鯉喰神社をはじめとしてこの伝説に関連する場所が多くありますが、やはりその筆頭は吉備津神社でしょう。

吉備津神社の本殿は国宝に指定されるほど豪華なものですが、筆者が訪れた時にびっくりしたのは本殿と拝殿に付属する回廊で、なんとその長さは 400m 近く! 大きな敷地を持つ神社はいくつも知っていますが、これだけの回廊を見たのは初めてで、伏見稲荷の千本鳥居を見たときと同じぐらいのインパクトがありました。

そんな迫力満点の回廊を下っていくと、お竃殿という建物があります。この建物こそが鳴釜神事が行われる場所なのです。この神事はさきほどの温羅退治の伝説に由来しており、首を切られたにもかかわらず温羅の首がいつまでたっても、大声をあげて唸っていたために、お竃殿の釜の下に埋めてしまいました。

しかし、埋められても唸り声はやまず、吉備津彦命が困り果てていたときに、夢枕に温羅の霊が現れ「自分の子孫を巫女とし釜で神饌を炊かせれば、自分は吉備津彦命の使者となって吉凶を伝えよう」といったので、その通りにしたところ唸り声は収まったのだそうです。

それからずっとこのお竃殿では、神事が執り行われています。そして、その釜の火は一度も絶やされることなくずっと燃え続けているのだそうです。このお竃殿でたかれている火は、一目見ただけで普通の火とは違うことが分かると思います。

その炎は清浄で清らかなエネルギーに満ちています。火というと荒々しいイメージがあったのですが、澄み切った炎の美しさにしばらくの間魅せられてしまうほどでした。

吉備津神社を訪れる機会がありましたら、是非、迫力のある回廊を通ってお竃殿を訪れてみてください。神事の炎はいつでも燃えています。また、一般の方でも、お竃殿での神事を受けることは可能ですので興味がある方は、神事に参加してみるのもオススメです。

Spot Data
 吉備津神社
 岡山県岡山市北区吉備津 931番地
周辺地図へ 周辺地図はこちら(別ウィンドウで開きます)