だんだんと肌寒い日が増えてきて、町ゆく人はすでにみな長袖を着るようになってきました。マフラーをつけている寒がりな人もちらほらと見かけます。秋もまっさかり、これから冬へと向かってだんだんと寒くなっていきますが、本日は気分だけでも暖かくなるように、南の島へと思いをはせてみたいと思います。

みなさんはガジュマルという樹をご存じでしょうか?

沖縄などの南国に生えている樹で、多数に分岐した幹から垂れ下がった気根が幹へと複雑に絡みついて、なんともいえない力強さを感じさせてくれる樹です。ガジュマルという名前の由来は、幹に気根が絡まっている、その「絡まる」が訛ったという説もあるそうです。

ガジュマルは成長すると 20m ほどの高さになりますが、複雑に絡みついた気根のおかげで非常に木登りがしやすい樹でもあります。筆者は南国の生まれなので幼い頃はよくガジュマルの樹に昇って、友達と秘密基地をつくったりしたものです。

ガジュマルの樹に登って、絡み合った枝に腰掛けているとドームのようになった葉っぱが南国の太陽をほどよく遮ってくれて、太陽の熱から逃れ、さわやかな風に吹かれていると、まるでガジュマルの胎内に包まれているようで、守られているように感じられました。

そんなガジュマルの樹にはキジムナーという精霊が棲んでいるといわれています。キジムナーは一説では赤い髪の毛をした子供の姿だとも言われていますが、妖怪の第一人者である水木しげる先生の描くキジムナーは、まるっこい毛玉に大きな目とくちばしがある姿になっています。

キジムナーは沖縄の代表的な精霊として知られていて、沖縄では土産物や看板などにもなっているほど人気があります。そんなキジムナーが住み着いているためか、幸せをもたらす「多幸の樹」ともガジュマルは呼ばれているそうです。

ガジュマルは中国や台湾、ベトナムなどでは道観(道教の寺院)や寺院などによく植えられています。強い日差しを遮ってくれるのはもちろんですが、道教ではガジュマルは「陽の気」を強く発する植物として知られているので、神聖な場所を「陽の気」で満たすためという意味合いもあると筆者は思っています。

「陽の気」というのは、いわゆるプラスのエネルギーです。このエネルギーが強ければマイナスのエネルギーは入ってくることができません。「ちょっと家の中が暗いな」「家に帰るとなんとなく元気がでないな」などと思う人はガジュマルの鉢植えをお部屋に置いてみるのはいかかがでしょうか? ガジュマルは奄美諸島では「神の宿る樹」と言われるぐらいに強い生命力をもっているので、素人でも比較的簡単に育てることができます。

お部屋でガジュマルを育てて、室内を「陽の気」で満たせば、快適に過ごせて、幸せを招いてくれるだけでなく、ひょっとしたらキジムナーに出会うこともできるかもしれませんよ?