女神と縁のある果物

女神と縁の深い果物というと、どんな果物を想像しますか? 以前にも紹介したように 神話に出てくる果物 と言うとリンゴやオレンジなどが有名ですが、今回紹介するのは、世界各地の女神と縁が深いという果物です。

その果物とは「ザクロ」。球状の果実を割ると、中には赤く透明な果肉の粒が入っており、果肉は甘酸っぱい独特の風味をしています。

ザクロはエジプト経由でヨーロッパに伝わり、さらに3世紀頃には中国へと伝わり、日本には西暦 923年頃に伝来したと言われています。食用となるのはもちろんですが、カクテルの材料として有名なグレナデンシロップもザクロが原料となっています。また、中東やインドなどでは煮込み料理の材料としても使われているそうです。

ザクロの樹皮は古代、虫下しとして用いられており、現在では科学的にもその薬効は証明されています。漢方では虫下し以外にも、下痢止めや、口内炎、扁桃炎などを抑えるためにも用いられているようです。近年では種にエストロゲンが含まれていることから、更年期障害や乳ガンなどに対する効果が期待されているそうですが、実際にどれぐらいの効果があるかはまだはっきりしていないようです。

その美しい外見からか、冒頭で紹介したように、ザクロは多くの女神に好まれています。古代ローマの婚姻と財を象徴する女神ジュノーは、ザクロが好物だと言われていますし、ライオンの顔をもつエジプトの女神であるセクメトが殺戮にあけくれていたときに、太陽神ラーがザクロの果汁で作った血のような薬を飲ませたところ酩酊して殺戮をやめたとされています。

インドでは、子供を喰う鬼神ハーリティーが常に他人の子供を食べていたところ、釈迦が母の気持ちを悟らせて以降子供を食べないようにと、ザクロの実を与えたという話があります。このハーリティーとは子育ての神様として有名な鬼子母神のことです。

ギリシャ神話では、冥界の女王であるペルセポネーが冥界にとどまることになった理由として冥界のザクロを食べたことが挙げられています。

このようにちょっと怖い女神たちから愛されているザクロ。その花言葉は「優美」「円熟した優美」「優雅な美しさ」だそうです。怖いけれども美しい女神に愛されているザクロにはぴったりの花言葉ではないでしょうか。

日本では鬼子母神の逸話からか凶事を招くとして嫌われていることもあるというザクロですが、世界的に見ると種子が多いことから、豊穣や子宝を意味するとして好まれているのだそうです。ザクロの旬は秋なので、手に取るのはちょっと先になると思いますが、機会があったらぜひ食べてみて下さい。女神に好まれたことからもわかるように、女性にはとてもオススメの果物ですよ。